シャンブル・ドットとは?

一般の個人宅が、敷地内の数部屋を貸し出す宿を「メゾン・ドット」あるいは「シャンブル・ドット」といいます。最大で5部屋、それプラス、キッチン付きのステュディオを数部屋設けているところもあります。ほとんどは朝食付きです。

南仏のシャンブル・ドットの魅力は、まず、その立地。広いブドウ畑の中に建っていたり、地中海を見おろす高台にあったり。あるいは、絵のような古城のそばだったり……。
そして、その家自体が、歴史的な建造物であることも珍しくありません。長い期間をかけて修復された、伝統的な南フランスの建築。そうした家に泊まるということは、真に贅沢なことだと思います。

オーナーは、それぞれのセンスで、とてもこだわってインテリアを飾っています。
オータンティックなプロヴァンス・スタイルだったり、モダンでお洒落なスタイルだったり。そのひとつひとつがチャーミングで、なんと素敵なことか!
温かくて家庭的な宿もあれば、ホテルも顔負けのリュクスな宿もあります。
プール付きの宿も多く、1泊で通りすぎてしまうのはもったいない宿ばかり。フランス人流のゆったりとしたヴァカンスを味わってみたい方には、1週間単位の滞在プランを設けている宿が割安でおすすめ。キッチン付きの部屋に泊まれば、暮らすように滞在することが可能です。

太陽の恩恵を受け、エピキュリアンが集まる南フランス。
メゾン・ドットに泊まるのが、本当の南仏の魅力を体験するいちばんの近道だという気がします。

ただ、あくまでもメゾンドットやシャンブルドットは個人宅であり、ホテルではありませんので、ホテルのようなサービスをお求めになる方にはお勧めできません。たとえば、ルームサービスなどはありませんし、シャンプーなどを備えていない宿もあります。また、チェックインも時間が限定されています(事前にお願いしておけば都合をつけてもらえることもあります)。部屋の掃除やシーツの交換も、ホテルのように毎日というところはほとんどありません。たとえ高級ホテル並みの料金であっても、ホテルではないのです。


どの宿も小規模な家族経営なので、クレジットカードが使えないところが多く、また2泊以上というところがほとんどです。


*記事中の客室料金は、基本的に2人1室の料金を記載しています。